正しいコンテンツプロバイダーの選び方


美しければそれでいい!
「クリエイティブ業界系」
コンテンツプロバイダー


では次に「クリエイティブ業界系」コンテンツプロバイダーについて見ていきましょう。
「クリエイティブ業界系」コンテンツプロバイダーとはその名の通り、商業デザインをやっていたクリエイティブプロダクション等を指します。
彼らは元々印刷媒体において企業の広告や販促資材等の制作に携わっていたので、内容的にはホームページのコンテンツはさほど違和感がないはずです。
もちろんご多分に漏れずMacintoshを導入して作業をDTP化しているところがほとんどですから、コンテンツ制作に必要な設備も一応揃っています。
しかし、残念なことは彼らの大半は、単なるアプリケーションユーザーに過ぎないということです。QuarkXpressやPageMaker、PhotoshopやIllustratorなどのDTP関連ソフトは一応使えるものの、基本的には「理系」人間ではないので、コンピューターハードウェアやOS、ネットワークに関しては素人に近いのが実情です。言わんやプログラミングなんて論外です。マックを使っていてもAppleScriptなんていうのは全く知らないし、もちろんWindowsやUNIXなんて全く解からないというのが大半です。

しかしそんな彼らにもインターネットの波が押し寄せ、クライアントの企業や広告代理店からホームページ制作の話が持ち込まれるようになってきたので、「これは対応できるようにしなきゃいけない」とばかりに、かつてDTPを導入した時と同じように、「とりあえずHTMLぐらい書けるように」と手頃なスタッフに勉強させました。こうして出来上がったのがDTP業務兼業の「クリエイティブ業界系」コンテンツプロバイダーです。


それではここで「クリエイティブ業界系」コンテンツプロバイダーの特徴をまとめてみましょう。
  1. とにかくデザイン至上主義。現状ホームページではフォントを指定できないばかりか、アクセス者がブラウザーのウインドー幅を変えるだけで簡単にページのレイアウトが変わってしまうのでレイアウトの詰めもできず、あまりにも今までと違った環境にストレスがたまりまくっています。
    それでも「ホームページっていうのはそういう諦めをしなければいけないんだ」と割り切れるならいいのですが、どうしてもデザイナーのプライドが我慢できずに、
    "ページ全体をどでかいグラフィックにして、全面クリッカブルマップにしてしまう"
    といった暴挙に出てしまう人も結構いたりします。もちろん、"タイトルから小見出しまで、ページ内のテキストの大半をグラフィックデータにしてしまう"、などの小技の使用はごく当たり前です。
    彼らにとって大切なのはあくまでもイメージであり、またページデザインの完成度なので、アクセスした人がデータのダウンロードに死ぬほど待たされるようが、そんなことにはあまり関心がありません。(そこまで気にしていたらそんな暴挙には出れないですよネ。)
    なぜならば、彼らは日頃、1画像「数メガ〜数十メガは当たり前〜っ!」の世界でDTPワークをしているので、何K(キロバイト)などというのはものの数には入らないのです。いわんやインデックスカラーのGIFデータで、「1色でも減らして1Kでも軽くしよう」など思うハズがないのも無理もないことかもしれません。

  2. 通常のDTP業務の場合、広告でも印刷物でも出来てしまえば業務終了となるので、彼らの中には「ホームページ制作はホームページが立ち上がれば完了!」と、メンテナンスのことなど頭にもない人もけっこう多かったりします。こういう人が制作すると、ホームページ用データのディレクトリ構成など結構テキトーだったりして、あとでメンテナンスする人を泣かせれくれます。
    (前項で書いたテキストのグラフィックデータ化なども、変更や更新がないようなタイトル等に留まっていれば良心的なのですが・・・)

  3. DTPクリエイターの大半はMacintoshしか触ったことがないような人ですから、ホームページの制作もMacなら、自分がつくったページの表示確認も「Mac+Netscapeでしかしていない」というのもごく普通です。もちろんUNIXマシンやWindowsマシンで確認してみることなど眼中にもありません。その点では、「知らぬがナントカ。」まさに幸せ者だと言えます。

  4. CGIを初めとするプログラミングについては専門外です。必要な場合はその部分だけは外注で対応するか、もしくは初めからHTMLデータとパーツの制作のみを限定して受注するようにしています。
    もちろんサーバ構築についても、"自社のオリジナルドメインネームサーバを自力で立ちあげた会社"を除いては相談するだけムダと思いましょう。

  5. クリエイティブプロダクションは星の数ほど(?)ありますが、ホームページ制作に対応しているところはそのうちの一部にしか過ぎません。彼らは「コンピューター業界系」コンテンツプロバイダーと違って、「コンテンツ制作いたします」と広告を打ったりすることがほとんどないので、一般的にはさほど目立ちません。
    それでもホームページ制作に於ては、デザイン的な作業要素も大きいことは確かですので、とりあえずでもHTMLが書ける会社は重宝がられて、日頃取引きのあるクライアントや広告代理店から結構メジャーな会社のホームページ制作の依頼が来たりしています。

  6. プランナーや企画もできるコピーライターなどのスタッフを抱えている会社は、それなりにホームページの企画段階から参加する場合もありますが、こういうスタッフがいないグラフィックデザイナーのみの会社の場合にはやはり「コンピューター業界系」コンテンツプロバイダー同様に、ホームページの企画や内容的なことにはあまり首を突っ込まず、「タグ屋」としてクライアントの意向のままに動きます。
    (注)プランナーがいたとしても、期待できるかどうかはワカリマセンけど。念の為。

  7. コンテンツ制作料金についても価格表的なものはもっていない場合が多く、その都度見積書を作ります。この場合、「テーブルは1ついくらで、アイコンやボタンは1コいくら」などといった細かい計算はせずに、すべて込み込みのアバウトで1ページいくら、という計算をするのが一般的です。

以上が「クリエイティブ業界系」コンテンツプロバイダーの特徴です。先程同様、多少オーバーな表現もあるかもしれませんが、大なり小なりそういう傾向があることは否めないはずです。

(注)このタイプの中でやや異色な存在としては、マルチメディアタイトル制作を中心に活動していた会社が挙げられます。彼らはコンピューターフィールドでのクリエイターであり、"足で使えるくらい"に得意な3Dソフトやオーサリングツールを使いまくってムービーやサウンドデータ等を制作しています。ただし、このカテゴリーの会社は単価の安いホームページ制作などには、さほど関心をもっていないと思われるので考察の対象からは外しました。)


この「クリエイティブ系」にコンテンツ制作を依頼する場合は、まず相手を見極めることが大切です。「マックを導入してDTPをやっているから大丈夫だろう」と思うのは大間違いです。
今どき、DTPに対応していないクリエイティブプロダクションを捜すほうが大変なくらいだし、素人だってPhotoshopやPageMakerを使っている人もゴマンといる時代です。
大切なことはホームページ制作を商業印刷物や印刷媒体での広告制作と同じレベルで捉えていないかどうか、つまりホームページというアウトプットを正しく理解し、適切なクリエイティブワークをできるかどうかです。 そして次に、どのくらいの守備範囲があるのか(プランニング段階から対応できるのか、それともタグ屋として使うしかないのか、またプログラミング関連作業にはどう対応できるのか、etc.)を見極め、適切な発注を心掛けることが肝心だと言えます。

それから、「プロのクリエイターによるハイクオリティーなホームページを制作します」などと自社ホームページで言っているような会社に限って、とんでもない勘違いをしているところが多いので、気を付なければいけないのは言うまでもありません。



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